抽象

 抽象的な事が考えられなくなった。たった3年前には嫌と言うほど考え出しては自分を苦しませていたのに、まったくと言って良いほど出てこなくなってしまった。

 きっと、社会人になって論理的に動こうとする前に無意識に具体的にはどうしよう?という発想が間髪入れずに出てくるようになったんじゃないかな。なんて思う。今となってはその抽象的な発想が乏しく、前まで持っていたようなセンスや個性が消えてしまったような気がして惜しい気持ちである。下手な話ではあるが、理系に寄ってしまったような気分で、前までは理系の学校に通いながら文系の気分だった。ひどく陰鬱、影の映える世界だったが、それでも影になって見えなった部分を想像する事が出来ていた。今もそう明るくはなっていないけど、曇りの日のような明るさで影は少なくなってそういう遊びは減ってしまった。このような部分に個人的に抽象の元と言える想像性があったんじゃないかななんて思う。その影を取り戻すべく無意識に始めた読書も、前ほど理解力が無くなってしまって面白くなくなってしまった気分がする。

 考えれば考えるほど手の施しようが無いんじゃ・・・?と思って軽く絶望してしまうような気がして、今まで向き合う事はなかった。選択肢や対策のうちようのない事は怖い事のような気がして、それを受け入れるような器量も無くただ茫然としていた。

 決心をする事はあまり意味がないんだよ、という話を聞いてがっかりしたのかもしれない。変わりない生活に満足していたのかもしれない。与えられることに幸せを感じたのかもしれない。何をすればいいのかわからなくなったのかもしれない。目標を考えることを怖くなったのかもしれない。途端に明日が怖くなったのかもしれない。

 少しでも発想や視点を変えてみよう。尖っても丸くなっても良いから好きなように。

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